コラム 障害者の働き方

障害者が働く方法ってわかりにくくないですか?①~ストーリー~

2022-09-08

障害がある人が働きたいと思ったとき、誰に相談して、どういう手順で進めていくのがいいのでしょうか。

結論から言うと、一般に行われている流れとは全く異なります。

一般には、転職サイトかハローワークで検索する→気に入った仕事を見つけたら、履歴書を送る→書類選考が通れば面接→二次面接→採用。わたしは転職を何回か経験して、この一般的ルールが障害者も同じだと思っていました。

ところが、病気になって障害者として、働こうと思ったときに、自分から情報を取りに行かなければ、道筋が見えてこないというのが現実と知りました。これでは、情報弱者は社会的弱者になってしまいます。

わたしは医師でも専門家でもありません。ただ障害のある当事者です。

これは、障害者であるわたしが、実際どうやって仕事に就けたかのストーリーです。

障がい者の「働きたい」は奇跡の第一歩

まずは、障害を持った人が「働きたい」という言葉を口にすることが、奇跡の第一歩です。

例えば、うつ病を患うと、わかっていても脳も体も動かなくなってしまうのです。

周りから見れば甘えていると思うかもしれませんが、決してうつ病の人に「甘えている」という言葉は言わないで欲しいです。なぜなら、誰よりも本人が「自分は甘えているのではないか。」と自己否定しているからです。

うつ病を理解するには、あなたが妖怪子泣き爺を抱っこしていると想像してみてください。
重くてどうしようもなく、トイレに行くにも「誰か代わりに行ってくれ。」と言いたくなる状態です。

そんな状態から、意欲的な「働きたい」が言えたら、よくここまで頑張ったねと褒めていいレベルなのです。

ねこまんまの主治医は喜んでくれた

わたしが「働きたい」と主治医に伝えたとき、

主治医

あなたからその言葉を聞けて、とてもうれしいです。

と言ってくれたことは今でも忘れられません。

私の場合は、精神障害者保健福祉手帳2級のレベルです。こんなわたしの回復の兆候を見つけて、褒めてくれたことに感謝しています。誰だって褒められたら嬉しいですよね。

患者の多くは、今まで褒められることのない人生を送ってきています。そして、自分の事で相手が喜んでくれるという経験も少なかった人生です。

わたしは、何気なく口から出たポジティブな言葉がきっかけで、少しづつ一枚一枚薄皮がはがれるように、行動を起こせるようになりました。

ただ、そこからは山あり谷あり、壁あり沼あり、道なき道を進むことになるのです。

障害者年金はそうそう簡単ではない

働きたいと言ったのに、なぜ年金?と疑問に思われたかもしれません。

説明不足でした。
わたしの病気は、気分の波が激しく不安が大きいのが特徴です。
白か黒、0か100、どっちかしかなくて、働きたいと言ったと思ったら、やっぱり働くのは無理と言う。
ほかの人から見たら気分屋にみえるかもしれません。当人の中では同時進行していることを、うまく表現できないのです。たまたま、診察した日が働きたいという言葉が出た日、それだけの事かもしれません。

わたしだけではなく、障害がある人は、生活不安を感じていると思います。

この先、どうやって生きていこうか。障害者年金はもらえるのか、それとも生活保護か、どこに相談すればいいかもわからない。

誰一人として望んで障害者になったわけではありません。
病気やけがで生活や仕事に支障がある人のセーフティネットとして、障害者年金があるのです。

ところが、年々審査が厳しくなってるのではという現場の声を聞きます。

わたしも受給できればいいなと思い、主治医に相談したことがありました。

主治医

あなたの場合は、申請してもおそらく通りません。診断書だって料金高いよ。高いお金払って申請しても、認められる確率低いから、お金の無駄ですよ

そんな言い方しなくたって・・・

交渉決裂

幸いなことに、わたしが通っている病院には、医療相談センターという窓口があります。
患者や患者の家族が、通院や治療に関する様々な不安や心配ごとを無料で相談できる窓口です。

わたしはそこを通して市役所の福祉課に、相談のアポイントを取ってもらいました。

そして、医療相談のスタッフと一緒に市役所を訪ねて、今の状況を伝えました。

障害者年金の手続きができるよう、もう一度主治医に頼んでみてください。

福祉課

医者が無理だというものは無理なのでは?と思いましたが、その時はそれ以外の方法が思いつきませんでした。

結局、病院と市役所を行ったり来たりして、今回で3度目の主治医へのお願いでした。

主治医

何度も言ったように、あなたの病気は年金申請しても受給対象にはなりません。

わたしは、悲しくて悔しくて、泣きそうになるのを必死でこらえていました。

先生はそれに気が付いたのか、

主治医

僕に出来ることがあったら、力になります。ほかに出来ることはありませんか?

と言ってくれましたが、ほかって何?
優しい言葉が返って、同情ならいらないという怒りに変わり、わたしは先生にこう言い放ったのです。

ありません!

ねこまんま

お願いしていることを断っておいて、何言ってんだこいつ。ほかにやってもらうことなどあるわけないだろ!

怒り爆発で診察室を後にしました。

これが、外相会談なら交渉決裂です。

 to be continued・・・・

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